第33回日本血管生物医学会学術集会
会長 南野 徹
順天堂大学大学院医学研究科循環器内科学 教授
このたび、第33回日本血管生物医学会学術集会(JVBM 2025)を、The 6th Asia-Australia Vascular Biology Meeting(AAVBM 2025)との合同開催として、順天堂大学本郷・お茶の水キャンパスにて開催する運びとなりました。AAVBMとの共同開催は、2017年の大阪開催以来、実に8年ぶりの日本開催となります。アジア・オーストラリア地域から多数のトップ研究者をお迎えし、国際的かつ先進的な学術交流の場となることが期待されます。
本学会はこれまで、ISHR日本部会やBCVR研究会などと連携しながら、学術領域の発展に寄与してきましたが、今回は日本血管生物医学会として単独での主催とし、我々自身の手で学問の未来を創る覚悟をもって企画を進めています。血管生物学は、基礎医学と臨床医学を架橋する学際的領域であり、再生医療、老化、炎症、代謝、腫瘍といった複数の分野との融合が求められています。今回の学術集会では、この領域の拡がりと深まりを再定義し、次世代の血管生物学の方向性を議論する場としたいと考えております。
一方で、財政的には制限のある中、民間財団の助成を活用しながら、大学施設を最大限に活用することでコストを削減し、従来型の企業依存型の学会運営からの脱却にも取り組んでいます。こうした制約の中でも、学術の質を決して妥協することなく、限られた資源で最大の価値を生み出すことこそ、今後の学会の姿勢として重要だと考えています。
また今回は、大会長一人に依存する従来の体制から脱却し、理事メンバーがそれぞれの専門性とネットワークを活かして運営に参画する新たな体制を築きました。これは、単なる運営改革にとどまらず、学会の持続可能性と構成員の参画意識の向上を目指すものです。
最後に、本学会が真に持続可能で学術的にも世界に誇れる場となるためには、会員一人ひとりが運営と発展に主体的に関わるという意識の変革が不可欠です。我々が創り出す「学術の場」は、未来の研究者と医療の基盤となるものであり、その責任を皆で担っていくことが求められています。
皆様の積極的なご参加と建設的なご提言を、心よりお願い申し上げます。